きままな日記(98年度分)

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蔵がゆっくり呼吸をはじめました

(1998年10月1日)


まだまだ汗ばむ日もありますが、ここでは確実に季節の訪れを演出しています。
湯気の立つ釜場の奥には、甘い香りのする区切られた部屋があります。
蒸した米は、ここで2日の間に生まれ変わります。
重く 汗ばんだ体から さらさらの真っ白なものになります。
手に持ってさばけがよく 握っても割れず 
味わえば、ほんのりとした甘みが口に広がります。
いよいよ もとの仕込みがはじまりプチプチと聞こえる音と共に忘れていたあの香りが漂いはじめました。


蔵に活気がもどってきました

(1998年9月1日)

ずいぶん日が短くなってきました。
夕暮れに酒蔵が赤く染まりだすと、やっと蔵が動きはじめます。
しばらく休んでいた分、再開の折りにはいろいろな場所でほころびがないかよく気を使ってから血を通わせます。
今頃では、いろんな器具がステンレスになっていますが、やはり木と同じように使えばつかう程、米や造られた酒になじんで落ち着いてくるのです。
人も米に触れ麹の感触を思いだしもろみの香りを感じてくれば、徐々に五感が冴えて無心となり蔵と酒に同化します。



暑中お見舞い申し上げます)

(1998年8月1日)


酒蔵から車で5分、そこより歩いて10分、とってもいい所があります。
不動の滝
深山の奥の奥  あちこちからしみ出す水が何となくここに集まってきた。
どっしりと構えるそれは大きくなく、と言ってもこじんまりとまとまっているわけではないのです。
高さ6メートル、幅3メートルの空間に色々なものが見えます。
おもだって一気に下る一団があったかと思うと、ゆっくり散策をしているもの、道に迷い水たまりに入ってしまうもの
それぞれ違った道を行っても、やはりたどりつく所は決まっていました。

近寄って行くに従い、滝から出てくるひんやりとした空気と落ちてあまりあるエネルギーが押し寄せてきます。
周りは草木に完全に包囲されているので、あちらこちらに響きぐるぐると回りながら下流の方に押し出されて行っています。
ここはいつも新鮮なもので満ちているのです。


今年も麗醸をよろしく

(1998年7月1日)

汗ばむ季節となりました。
皆様にはおかわりなくお過ごしのこととお喜び申しあげます。
ここ笠原は、周囲が山におおわれた小さな盆地になります。
ここから少しいくと尾張、美野、三河の国の境
そこには標高701mの三国山があり夏場でもさわやかな風を感じます。
そんな 三国山の伏流水を使って酒を仕込んでいます。
からくちでありながらフレッシュな味わいが特徴
やわらかな酸味が、夏の食を引き立てます。
よ〜く冷やしてお召し上がり下さい。


「麗醸」試飲のこと

(1998年6月)

昨年6月に初めてこの酒を出しました。
夏場の季節商品を企画したのは、初めてだったのでいろいろと他社の生酒を利いたりしてどのようにするかを検討しました。
どうしても夏、暑い、それに対して爽やか、軽い、ドライといった当たり前の夏場用語に凝り固まってしまいました。
酒の造りもそれに合わせて工夫をこらしできた酒は、まさに言葉どうりのことをクリアーしていました。
確かに暑くとも、お冷やなしですいすいと飲め、悪くはないのですが何というか酒の本質になるような味わいが極めて少なく、酒を呑んだ感じがしなかったのです。
いいもの、かっこいいうける酒を造ろうとした気負いが、大切なことを見えなくしたようでした。
去年のそんな「できごと」があったので、まあ、今回は無理なことはせずできる技術で仕込んでみました。
酵母は、岐阜県食品試験所でできた9号酵母を改良したG酵母を使っています。仕込みタンクは1.5T、通常よりもろみの温度を1度から1.5度下げて、ゆっくりと時間をかけて造りました。
しぼったのが5月の半ば頃なのでまたまだ生娘、そのまま召し上がるのもよし
よく熟させてみるのもまた楽し
ぜひ「麗醸」をお試しください。


とてもやさしい酒がでます

(1998年5月)

ここ笠原の里でも、暖かい日射しが、草木に色を添えています。
そんな頃の休日の縁側
近所で畑をやっている通称蕎麦のおじさんが やってきた。
手にさげた袋のなかには、さっき打ったばかりという蕎麦が束になって横たわっていた。

顔を合わせるやいなや、支度にとりかかってしまった。
大きな釜で湯を沸かす。
となりでは、昨日とったばかりの「たらの芽」が 天ぷら鍋で泳いでいた。
ふと横の縁側を見ると、いつもとはちがう酒のラベルが見えた。
名前は「悠醸

のんびりと一杯やろう

酒蔵の奥には

(1998年4月)


店の横に、ずう〜と進んでいくと、古いふるい土蔵があります。
少しづつ修復はしていますが、どうしても痛みはひどく、全体に傾きかげん
厚い扉を開けて入ると、そこは隔離された空間
太い木柱 ぶ厚い壁 ひんやりとした空気に周りを包まれ何故かほっとした落ち着きを感じるのです。
そんな季節の終わった土蔵の中には、冬にとれた酒粕が眠っています。
槽でしぼったあと、一枚づづはがされた粕をまとめてホーローのタンクに中でねかせます。
昔は、小さな木の槽を使い酒袋にもろみを入れて
積み重ねていったので腰に負担がかかり大変な 作業でした。
いまでは、労力も新しい器具などによってによってずいぶん軽減されました。
その粕も、半年寝かすと熟成していい漬け物粕になります。
今年もいい瓜が実ってくれるよう。


湯ノ沢の水

(1998年2月)


笠原の奥座敷 不動さま

境内から山に登ったところに、

湯ノ沢の泉が湧いています。

笠原のお年寄りの口癖は

「湯ノ沢の水は色んな病気にきく水と聞いておる」
朝 朝礼が終わったら店の前を掃除します。

今日は雪があったのであまり寒くないのです。

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